作品概要：（あらすじ）

生きる事を諦めて自ら命を終えようとする高校生、悟。

そこに助けに現れた奇妙な青年、壱朗。

二人はその瞬間、不思議な世界へと誘われる。

そこは生まれ出る前の魂、プシュケー（ギリシャ語で魂）たちが集まる場所だった。

命の卵　プシュケーたちは生まれ出ることを自ら選んでいた。

望まれて待ち焦がれて生まれ出るプシュケー、

望まれず、それでも生まれることを選ぶプシュケー、

生れ落ちても困難が待ち受けていることを知りながら生まれ出るプシュケー、

生まれ出ることを自ら拒否するプシュケー。　

そして、実は奇妙な青年壱朗は第二次世界大戦で死んでいった学徒兵の魂。

大切な家族を忘れる事を拒み、生まれ変わる事を選ばず浮遊していた存在。

それもまた、失われたひとつの若い命だった。

様々なプシュケーと出会う中で、

悟は生まれ変わろうとする自分自身のプシュケーと対面してしまう。

悟が生きるのをやめるのなら、新たな命として生まれ出るという自分のもう一つのプシュケーだった。

新たな命として生まれるということは、今の悟は完全に消滅してしまう・・・

そこへまた悟との因縁をもつ一つのプシュケーと出会う事に・・・

果たして悟は元の世界に戻るのか・・・それとも・・・